GesdroDrawing Tips

ドローイングを続けて気づいた「当たり前」の話

人の顔を描くことが昔から好きで、気づけば日常の中で何度も鉛筆を握り、紙やタブレットの上に線を重ねてきました。 特にドローイングという行為には不思議な魅力があり、完成度を求めるというよりも、観察と理解を深めるための純粋な行動として、何度も繰り返し取り組んでいます。 上手くなりたいという気持ちはとても強く、感覚だけに頼らず、きちんと構造を理解した上で描けるようになりたいと考えるようになりました。

その思いが高じて、練習環境そのものを自分で整えたいと考え、ドローイング専用のWebアプリを自作しました。 市販のツールや既存のサービスも数多くありますが、「自分が本当に欲しい練習環境」は意外と見つからないものです。 ならば自分で作ってしまおう、という発想から始まり、試行錯誤を重ねながら、今では毎日のようにそのアプリを使って顔のドローイングを続けています。

ドローイングを続けていると、ある日突然、これまで見えていなかったものが見える瞬間があります。 それは特別な技法や難しい理論というより、「そんなことは最初から知っているはずだ」と思っていたような、ごく当たり前の事実です。 しかし、その当たり前を本当の意味で理解できていなかったことに、後から気づかされます。

例えば、顔の立体構造についてです。 おでこや鼻、口元は顔の前面にあり、比較的意識しやすい部分ですが、顎はそれらに比べると、わずかに奥へ引っ込んだ位置にあります。 この構造を頭では知っていても、実際に描く段階では無意識のうちに無視してしまい、顎を口元と同じ平面上に配置してしまっていました。 その結果、どの人物も少ししゃくれたような、不自然な印象になってしまっていたのです。

当時は「なんとなく似ない」「どこかおかしい」と感じながらも、その原因が分かりませんでした。 しかし、ドローイングを重ね、実物や写真を冷静に観察する中で、ようやくそのズレに気づきました。 顎の位置をほんの少し奥に下げるだけで、顔全体の印象が驚くほど自然になる。 その体験は、自分にとって大きな発見でした。

こうした経験を通して、「当たり前すぎて見落としてしまうこと」がいかに多いかを強く実感しました。 人は知っているつもりになっていることほど、実は理解が浅いものです。 ドローイングは、その思い込みを一つずつ壊し、改めて観察し直す作業なのだと思います。

これからも特別な近道を探すのではなく、ドローイングを地道に重ねながら、「当たり前の大切さ」を一つひとつ体に染み込ませていきたいと考えています。 理解したつもりではなく、自然に手が動くレベルまで落とし込むこと。 それが本当の意味での上達につながると信じています。

現在は、誰でも気軽にドローイングを繰り返し練習できる、無料のWebアプリを公開しています。 自分自身の学びのために作ったものですが、同じように悩み、練習を続けている人の助けになれば嬉しいです。 描くことを楽しみながら、少しずつ「見える世界」が広がっていく、その過程をこれからも大切にしていきたいと思います。

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